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<ナレッジ>Vol.7 過大支払利子税制について

2018/10/02

1.はじめに
BEPSプロジェクトの最終報告書を踏まえての国内制度整備の検討が求められる状況で、経済産業省か2019年度税制改正要望の中で、国際的な租税回避の防止を考慮しつつも日本企業の健全な投資を阻害する事がないように、特に過大支払利子税制や移転価格税制等の見直しの検討に当たって企業に過度な負担を与えないように配慮すべき旨が強調されました。過大支払利子税制につきましては、2013年4月1日以後に開始する各事業年度において適用されておりますが、今回改めて制度の確認をして頂きたいと思います。
 
2. 制度の概要
法人の各事業年度における関連者等に対する純支払利子等の額(関連者に対する支払利子等から控除対象受取利子等を控除した金額)が当該法人の調整所得金額(課税所得に純支払利子等の額や減価償却費等を加算するなど一定の調整をくわえたもの)の50%を超える場合には、その超える部分の金額は当期の損金の額に算入されないものとされております(措法66の5の2①)。
 
関連者等とは、法人のほか個人も含まれ、関連者による債務保証を受けて資金供与等を行う第三者も含み、いずれか一方の法人または個人が他方の法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の50以上の数又は金額の株式を直接又は間接に保有する関係その他の一定の特殊関係にあるもの等とされております。
 
調整所得金額とは、繰越欠損金の損金算入や受取配当金の益金不算入等一定の規定を適用せず、かつ、寄付金の金額を損金の額に算入して計算した所得金額に、関連者純利子支払等の額、減価償却費の損金算入額及び貸倒損失の損金算入額を加算するなどの一定の調整後の金額をいいます。

 
3. 適用除外基準の適用要件
本制度は、次のいずれかに該当する場合には適用しない事とされており、この適用除外基準の適用を受けるためには、確定申告書にその適用除外の適用がある旨を記載した書面及び計算書類を添付し、かつ、その計算に関する書類を保存する必要があります(措法66の5の2④~⑥)。

 

①法人の当該事業年度の関連者純支払利子等の額が1,000万円以下であるとき。

②法人の当該事業年度の関連者純支払利子等の額の合計額が、当該事業年度の支払利子等の額の合計額の50%以下であるとき。

但し、②の支払利子等の額の合計額からは、関連者に対する支払利子等で、その支払を受ける関連者において日本の法人税の課税所得に算入されるものは除きます。

 

4.超過利子額の取扱い
法人の当事業年度の関連者純支払利子等の額が調整所得金額の50%に満たない場合において、前7年以内に開始した事業年度で本制度の適用により損金不算入とされた金額(超過利子額)は、法人の各事業年度の調整前所得金額の50%に相当する金額から関連者純支払利子等を控除した残額を限度として、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する事とされます(措法66の5の3①)。
 
上記の規定を受けるには、超過利子額に係る事業年度のうち最も古い事業年度以後の各事業年度の確定申告書に当該超過利子額に関する明細書の添付があり、かつ、損金算入する事業年度の確定申告書等に規定の適用を受ける金額の申告の記載及びその計算に関する明細書を添付する必要があります(措法66の5の3⑧)。

 
5.他の税制との関係での留意事項
本制度と過少資本税制(内国法人が、国外支配株主等又は資金供与者等に負債の利子等を支払う場合において、その国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債に係る平均負債残高が国外支配株主等の資本持分の3倍に相当する金額を超えるときは、当該事業年度において国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額のうち、その超える部分に相当する金額は、損金の額に算入されないものとされる(措法66の5①)。)の双方に損金不算入額がある場合には、いずれか多い金額が損金不算入とされます。

 
6.さいごに
以上が簡単な概要となります。税額への影響検討、実務整理、税務処理等につきましてご不明な点や疑問点等御座いましたら、当グループまでお問合せください。

以上

【お問合わせ先】税理士法人 平成会計社 / HSKコンサルティング株式会社
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