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<ナレッジ>Vol. 2 大法人電子申告義務化について

2018/05/07

1. はじめに
平成30年度税制改正の主要項目の一つに税務手続きの電子化等の推進が挙げられています。近年はeTAXやeLTAXによる電子申告は徐々に浸透しつつありますが、規模の大きい法人ほど申告内容によっては利便性に欠ける場合や既に申告まで業務フローが確立さていることもあり、電子化が進み辛いところがありました。しかし、今回の改正によりその事業年度開始の時において資本金又は出資金の額が1億円超の法人等の提出する法人税・消費税・地方法人二税等の申告(平成32年4月1日以降開始の事業年度・課税期間)について電子情報処理組織(以下、「eTAX等」)を使用する方法での提供が義務化され、申告に係る電子化の波は避けて通れないものとなりました。以下、小欄では大法人への影響を中心にその概要を確認していきます。

 

2. 電子申告の導入に向けての環境整備
財務省が公表している「行政手続コスト削減のための基本計画」(平成29年6月30日公表、平成30年3月末改定)によれば、電子申告の義務化が実現されることを前提として、大法人の法人税・消費税の申告について、e-Taxの利用率100%の目標を設定しており、今回の改正には会社の利便性に資する改正等が折り込まれています。

 
①第三者作成書類の添付省略
収用等・換地処分等にともなう圧縮記帳の適用を受ける場合の土地収用証明書等の第三者作成書類については、保存を要件として添付の省略が認められことになりました。
 
②データ形式の柔軟化
別表において明細記載を要する部分・財務諸表・勘定科目内訳明細書に係るデータ形式を柔軟化(CSV等)し、勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化等を図ることと合わせて、eTAX等の送信容量の拡大など運用上の整備が行われます。
 
③提出方法の拡充
法人税及び地方法人税の電子申告の添付書類の記載事項については、eTAX等を使用する方法又は当該事項を記録した光ディスク等を提出する方法による提供が義務化されます。消費税、法人住民税及び法人事業税の申告にかかる添付書類の記載事項についても同様に、eTAX等を使用する方法による提供が義務化されます。
 
④自署押印制度の廃止
法人税、地方法人税、及び法人事業税等の申告書における代表者等の自署押印制度が廃止されました。また、eTAX等による申請等については、当該法人の代表者から委任を受けた者の電子署名を送信する場合には、当該代表者の電子署名の送信を要しないこととなります。
 
⑤提出先の一元化(ワンスオンリー化)
外形標準課税対象法人等が法人税の確定申告書又は中間申告書の提出をeTAX等を使用して行い、かつ、これらの申告書に財務諸表の添付がある場合には、国税・地方税当局間の情報連携が推進されることにより、法人事業税の申告においてこれらの添付があったものとみなされます。
加えて、連結親法人が連結納税の承認の申請書等を提出した場合に、連結子法人が提出することとされている、連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書、完全支配関係を有することとなった旨を記載した書類及び連結完全支配関係等を有しなくなった旨を記載した書類の提出についても提出が不要となりました。
 
3. 電子申告されない場合の取扱い
電気通信回線の故障、災害その他の理由によりeTAX等を使用することが困難であり、書面による申告書を提出することが出来ると認められるときは、納税地の所轄税務署長の承認を受けて、提出が可能となります。しかし、上記以外の理由により電子申告がなされない場合は無申告又は不申告として取り扱われてしまいます。
ただし、期限内に申告書の主要な部分が電子的に提出されていれば無申告加算税はかかりません。
 
4. さいごに
今回の改正では、中小法人の電子申告義務化は見送られましたが、「行政手続きコスト削減のための基本計画」にて中小法人についても今後電子申告の義務化を検討する旨が記載されています。電子申告に対する対応は企業の規模に関らず、今後の義務化に備えて早期に検討を進める必要に迫られています。
電子申告の導入や業務フローの整理につきましての実務上の不明事項や疑問点等御座いましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

【お問合わせ先】税理士法人 平成会計社 / HSKコンサルティング株式会社
https://heiseikaikeisha.com E-mail: info@hsk-tax.com