PAGE TOP

<ナレッジ>Vol.5 取得価額に算入する費用について

2018/08/02

はじめに
 
不動産証券化においては、様々なビークルを用いて目的の不動産等を取得することになりますが、当該不動産等を取得するためには、売買代金の他、様々なコストを負担することになります。
 
会計上は固定資産を購入によって取得した場合には、購入代金に買入手数料、運送費、荷役費等の付随費用を加えて取得原価とすることとされています(連続意見書第三、第一、四)。また、法人税法施行令第54条においても、購入により取得した減価償却資産の取得価額については、不動産等の購入のために要した支出額、不動産等の事業の用に供するために直接要した費用の額と規定しています。今月号では、実務における取得価額に算入する費用について紹介させて頂きます。
 

取得価額に算入する費用
①固定資産税等(都市計画税・償却資産税を含む。)の精算金
固定資産税等(都市計画税・償却資産税を含む。)は毎年1月1日における土地・建物等の所有者に対して課される税金です。通常、不動産等売買においては、本年度分の固定資産税等を、所有期間に応じて売主・買主間で精算を行い、未経過固定資産税等相当額を収受することが慣行となっています。
 
会計・税務上共に、当該費用は地方公共団体に対して納付すべき固定資産税そのものではなく、私人間で行う利益調整のための金銭の授受であり、不動産の譲渡対価の一部を構成するものであるため(消基通10-1-6)、未経過固定資産税等の負担額は、不動産等の取得価額に含めることになります。
 
②司法書士報酬、登録免許税、不動産取得税
ここで挙げる司法書士報酬とは、取得した不動産等を法務局へ登記する際に発生した司法書士への報酬のことです。また、不動産等を取得する際に必要な登記として、主に、所有権移転登記、受益権者変更登記、信託登記が挙げられます。
 
会計上、司法書士報酬、登録免許税、不動産取得税は事後的費用であり取得のために必要な費用とは限りませんが、配当の平準化を考慮して不動産等の取得価額に算入される処理が慣例化されています。当然に事後的な費用として取得原価に算入していないビークルも少なからず存在しています。
なお、法人税法上においても、不動産取得税、登録免許税その他登記又は登録のために要する費用は事後的費用であることから、取得価額に算入しなくてもよい費用と規定されていますが(法基通7-3-3の2)、会計上と同じ取り扱いとしているケースが多いと考えられます。
 
③不動産鑑定評価報酬、仲介手数料、エンジニアリングレポート作成報酬・市場調査費用・建物診断費用
不動産鑑定評価を行った不動産鑑定士等に支払う報酬、不動産等を取得するにあたり発生した不動産仲介手数料、不動産等を取得するにあたり必ずと言ってよいほど発生する建物の劣化・耐久診断、地震リスク、市場調査など費用についても、不動産等の取得価額に算入される処理が慣例化されています。
 
会計・税務上共に、これらの費用は取得のために直接必要な費用とは限りませんが、取得に伴って発生した費用であるため、配当の平準化を考慮すること、また、上記②の費用を取得価額に含めることとの整合性を重視することから、不動産等の取得価額に算入されるケースが多いと考えられます。
 

不明事項や疑問点等御座いましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

以上

【お問合わせ先】税理士法人 平成会計社 / HSKコンサルティング株式会社
https://heiseikaikeisha.com E-mail: info@hsk-tax.com