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<ナレッジ>Vol.13 配当に係る租税条約に関する届出

2019/04/04

REITやSPCにおいて、海外の投資家に向けて配当を行うことは珍しいことではありません。

このようなケースにおいて、投資家が我が国と租税条約を締結している国の居住者である場合、「租税条約に関する届出」を提出することで、配当に対する所得税及び復興所得税を軽減又は免除を受けることが可能です。

今月号では、「租税条約に関する届出」に関してご説明します。

 

1. 制度の概要

【手続根拠】

租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関す

る省令第2条~第2条の5、第9条の5~第9条の9

【手続対象者】

源泉徴収税額の軽減又は免除の適用を受けようとする者

【提出時期】

最初に配当の支払を受ける日の前日

【提出書類】

「租税条約に関する届出書(配当に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除)」

~適用を受ける租税条約の規定が特定条項の適用対象となる場合は、「特定条項に関する付表

(様式17)」を添付

【提出先】

配当の支払者の所轄税務署

 

2. 実務上の留意点

① 適用を受ける両国間で課税上の取り扱いが異なる事業体に関する規定がある場合

⇒追加で提出する必要のある資料がございます。

 
≪ケース1. 外国法人であって、相手国ではその投資主が納税義務者である場合≫

Ⅰ.配当の支払を受ける外国法人が相手国において当該投資主が課税を受けていることを明らか

にする書類

Ⅱ.外国法人の投資主等の名簿

Ⅲ.当該投資主がその外国法人の投資主等であることを明らかにする書類

Ⅳ.当該投資主の相手国の権限のある当局が発行した居住証明書

 
≪ケース2. 相手国の居住者に該当する団体であって、日本ではその構成員が納税義務者とされる団体の構成員≫

Ⅰ.配当の支払を受ける団体が居住地国において法人として課税を受けていることを明らかにす

る書類

Ⅱ.相手国団体の構成員の名簿

Ⅲ.当該構成員が配当の支払を受ける団体の構成員であることを明らかにする書類

Ⅳ.その団体の相手国の権限ある当局の居住証明書

 

② 支払日の前日までに「租税条約に関する届出書」の提出が間に合わなかった場合

⇒いったん国内法に基づく税率により源泉の徴収と納付を行った上で、後日「租税条約に関す

る源泉徴収額の還付請求書」を支払者の納税地の所轄税務署長に提出することで、源泉税の

差額の還付を受けることが可能です。

 

③配当を未払金としている場合

⇒源泉徴収は実際の配当の支払時に行うことが原則であるため配当を未払金としている場合は

源泉税の徴収義務は発生しません。しかし、先方との合意で債権と配当との相殺が行われた

場合は、相殺された時点を支払時点とみなし、納付が必要となります。

 

④「租税条約に関する届出書」を代理人によって提出する場合

⇒委任関係を証する委任状を、その翻訳文とともに添付する必要がございます。

 

⑤元本の保有者が名義上の者と異なる場合

⇒元本の保有者が名義上のものと異なる理由を証する証明書を、その翻訳文とともに添付す

る必要がございます。

 

参考 国税庁HP:
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_39.htm

以上が簡単な概要となります。実務上の不明事項や疑問等ございましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

以上

【お問合わせ先】税理士法人 平成会計社 / HSKコンサルティング株式会社
https://heiseikaikeisha.com E-mail: info@hsk-tax.com