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<ナレッジ>Vol.12 資産の貸付けの経過措置適用における留意点

2019/03/05

Vol.8 「不動産関連の『資産の貸付の経過措置』の適用関係」では、不動産実務における「建物等の共益費と、資産の貸付けの経過措置の適用関係」を紹介させて頂きました。

今月号では、不動産賃貸業において、「資産の貸付けの経過措置」の適用を受ける建物賃貸借契約を締結する際に留意すべき事項を紹介させて頂きます。

 

(1)  「資産の貸付けの経過措置」の概要

2013年10月1日から2019年3月31日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、2019年10月1日以前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が次の「①及び②」又は「①及び③」に掲げる要件に該当するときは、2019年施行日(2019年10月1日)以後に行う当該資産の貸付けについても、旧税率(8%)が適用されます

(改正法附則5④、16①、改正令附則4⑥)。

 

① 当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること。

 

② 事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めが

ないこと。

 

③ 契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがな

いこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子又は保険

料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の

額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められているこ

と。

 

不動産賃貸業において当該経過措置が適用されるどうかは、賃貸借契約書の契約内容に基づいて判断する必要があります。

 

(2)  賃貸借契約上の留意点

不動産賃貸借契約においては、通常、契約中に解約の申し入れができる旨の定めがあるので、経過措置の適用においては、契約の内容が「①及び②」を満たしている必要があります。

ところで、賃貸借契約においては以下の賃料増額請求権条項がある場合が少なくありません。

 

 

 

 
 

 

当該条項は、当事者間のトラブルを避けるために多くの賃貸借契約に織り込まれていますが、この条項は経過措置の要件②「対価の額の変更を求めることができる旨の定め」に該当するため、経過措置の適用を受ける建物賃貸借契約を締結する際には、賃貸借契約書に当該条項を織り込まないように注意する必要があります。

(熊王征秀 編著(2018)、『消費税率引上げ・軽減税率・インボイス 業種別対応ハンドブック』、日本法令出版、p256-258)

 

以上が簡単な概要となります。実務上の不明事項や疑問等ございましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

以上

【お問合わせ先】税理士法人 平成会計社 / HSKコンサルティング株式会社
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